書評日記 第28冊
誰がリロードしたのか知らないけれど、表紙のアクセスカウントが2日前の200から一気に270になっている。ちなみに、記念すべき(?)200番めは私自身であった(しくしーく・・・(これは武内直子さんの書き方、あとの方に長音があるのがミソ。))
土曜日に8人の方にメールを出して、日曜日にリンク集を作って、ってのが功を奏したのかもしれない。・・・か、ほんとうに誰がリロードしているのかもしれない。ま、読まれていないことを悲しむことはない。誰かが見ていてくれるし、また、誰も見なくても私自身がおもしろいと思うならば(『私自身が一番近い読者であり、私自身への一番辛い批評家である』という言葉を肝に銘じて)、それは続ける価値があるし、むしろ、日記としての過去の日々が未来の自分自身の糧になると思えば、それだけでいい・・・ってのは、私がよく(高校生の頃の)日記に書いた言葉であり、一番好きな文句だ。(同じ言葉を、山田かまちの日記にも見つけることができる。なるほど、みなそう思っていたんだと、ちょっと安心する。)
ま、おやじドモ(あぁ、慣用句につきすみません。)の日記とは違って、いつまでもぶーたれてても仕方が無いなあ、ってんで、これは「書評日記」なので、早速、今日の一冊を紹介しよう。(一応、フォローしとくけど、私のリンク集は、ほとんどおやじドモだ。なんで、こーなっちまったかは、神だってわかるまい、ははははは。)
さて、今日の一冊「羊たちの沈黙」は当時(平成4年あたりだと思う)一世を風靡したと思われる(すくなくとも、私自身は風靡された。)トマス・ハリスのミステリー&サスペンス小説そして映画である。ミステリーというよりも、「氷の微笑」に代表される(残念ながら、こっちは見てない)精神的な怖さを強調させる分野であると思う。
背景を説明する関係上ちょっとだけ(裏表紙程度の)あらすじを話しておくと、異常殺人犯を、FBI捜査官と訓練生の女性が協力し合って追うのであるが、そのために元精神病医レクター(彼は、殺しのために特別刑務所入り)の協力を得る。その中で捜査官は心理学プロファイリングという手法を使うのだが、普通の殺人事件は動機とか状況証拠で追いつめることであるに対して、プロファイリング(心理素描)では犯人の生い立ちを想像し何故そのような行動をするに至ったのかを考え、それを元に犯人像を絞り込んでいくという方法である。
プロファイリングの手法は、現実に存在するFBI捜査官のロバート=K=レスラー著「FBI心理分析官」(早川書房)に詳しい。ただし、こちらの本は、あまりに具体的すぎてちょっと胸焼けしそうである。(現に私は、半分しか読んでいない。)
あと、元精神病医のレクター教授であるが、これはMacのソフトである「レクター」からとったものと思われる。このソフトは、ランダムに文章を構成しなんとなく(読みようによってはかなり)話が通じるような会話ソフトである。この辺は、Macに詳しい方にでも聞いておくんなまし。
私の場合、映画の方を見て(今はビデオがあるハズ)から原作にあたったのだが、これが逆であったとしても同じ印象を抱いたであろう。それだけのインパクトはあった。当時、私は映画を結構見ていたけどもサスペンスものは見なかった。本でもあまりミステリーを読まない。(サスペンスとミステリーをごっちゃにしないでくれと異論があるかもしれないけど、残念ながら私にとってはごっちゃ。)なのに、なんでこの映画&本がみたくなったのかは、ちょっとわからない。ただ、映画のポスターでレクターがなんともすごい迫力だったことは確かだ。
ちなみに、トマス・ハリスは他に「レッド・ドラゴン」を書いている。これもおもしろい。ただ、もう一冊あるんだけどこっちに方は駄作(「ブラック・サンデー」という題名)なんで、紹介しないことにする。なお彼の著作(少なくとも私のみる範囲では)は、これしかない。「羊たち」のあとがきに『次回作を大いに期待するゆえんなのです。』と書いてあるけども、おーい、どーなんてんだ?
これは、蛇足だけども、トマス・ハリスとハリー・ハリスは似ている。ミステリー作家であるところも同じだ。早川書房から出ているのも同じだ。でも、ハリーの方が著作が多い。私はトマスの方のFANなんだけどね。
update: 1996/06/25
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