書評日記 第31冊
ゲイトウエイ フレデリック・ポール
早川文庫

 この「書評日記」にもアクセスカウンタをつけることにした。実は1週間ほど前から、密かにカウンタを設け(SSIを使って、表示をしないようにしている。)ていた。そうすると、ホームページのアクセス回数の増加量と書評日記のアクセス回数の増加量がほぼ同じであることを知った。なるほど、私のホームページを見に来てくれる方々は、この「書評日記」がめあてなわけだ、と思った。ちなみに3日前の異常な増加(私にしたら、50なんて異常だ。)は、野原さんの喫煙日記のところにリンクが貼ってあったことが原因らしい。
 とかなんとか、一喜一憂していたわけだが、森川さんのシリコンカフェを見たとき、「私もひとつ、なんかをやらねばなるまい。」という気持ちになった。なんとなく眠れなかった。しかし、やらねばなるまいと思ってはみたものの、一晩あけると、そんなにあわててやったところでロクな結果が出るわけじゃないことを思い出した。いままでの数々の失敗がそれを物語っている。だから、私は、非常に地味ではあるが、この「書評日記」をしこしことやっていくことに改めて決めた。
 というわけで、100ぐらいになっていた隠れたカウンタは0に戻し、公表することに決めた私である。貴方の他にどのくらいの人が読んでいるのか、かつ、本というものに興味を持っているのか、稀Jrという人物を通して、考察してほしい。だから、私は手を抜かない。文筆家ではないからこそできる、素人としての面白さ、そして金を払ってでも私のやりたいことをやるという覚悟を見て欲しい。多少、おしつけがましいかもしれないけど。

 さて、前段落はすっぱり忘れてください(っていっても無理だけど)。ちょっと、私の「俺」の部分がはみ出てしまったのです。1か月もこういう文章を書いていると、自分で自分をあおってしまう癖があります。ま、そーいうことは、ほんとうに「個人的な日記」として書くべきですよね。

 フレデリック=ポール著「ゲイトウエイ」シリーズは、4巻+1(「ゲイトウエイの旅」という)となっている。例によって、第一巻が見当たらないので、スキャナしたのは4巻の下。私がこの本に出会ったのは結構前(高校生か浪人の時か)だったような気がする。そのときは、あまりに退屈なんで1巻の途中で放り出してしまった。その後、大学4年の時(かな?)に改めて読み直した。
 さて、何が退屈であったのだろうか。この本の後書きにもあるけど、この話は、ロビネット・ブロードヘッド(通称ロビン)が、ヒーチー人という先人の残した技術(宇宙船とか、プレイヤー・ファン(祈祷扇)・・・ただし、これは・・・ネタばらしになるので、これ以上は言えない。私を信じて、本にあたっておくれ。)を探す物語である。ただし、この主人公ロビンは何にもしない。というか、1巻からロボットの精神分析医ともそもそ話すだけで旅にはでるものの、失敗して帰って(しかし、生き残ったというだけで報酬はもらえる)くるだけの話なのだ。それが何故こんなに(そのような形容詞をつけるだけの価値はある)おもしろいのか。
 私にとっておもしろかったのは、ロビンが実に平凡で弱々しい(かといって、完全にぺしゃんこというわけではない)ひとりの男であり、くよくよ、うだうだと、ロボットの精神科医に通いつめるところがなんとも退屈&面白い。いったいこの主人公はなにをしているのかわからない。特に1巻はエンエンそのような場面が続く。なんでこんなんが主人公なんだと思うかもしれないが、ちょっと分厚い1巻を読み終わると、少しは理解できるかもしれない。彼は、けっこうしぶといのである。当然(?)主人公だから死なないことが第1条件なんだろうけど、その生き残りかたがなさけない。まったく、スペースオペラ(一応、宇宙SFものだし)に似つかわしくない主人公&ストーリーである。ちょっと他のSFでは味わえない感覚を「ゲイトウエイ」は味わせてくれる。
 そう、私の書評じゃ、保証にならないけど、この4巻の解説は草野仁が書いている。あと、訳者は、矢野徹である。ちょっとは安心した?

 さて、今日の日記はこれでおしまい。なんかいろいろあった一週間だったけど、また、あしたはあした。こつこつやってるのが一番さ・・・たぶん。

update: 1996/06/28
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