書評日記 第38冊
深く静かに沈没せよ!! おおのやすゆき
日本出版社

 エリツィンがロシアの大統領の座を守り切った。つまり、共産党のシュガーノフ(「シュガーノフ」は、「シュガー無ふ」だから、共産党の味気ない政治を想像してしまうのは、俺だけだろうか。)が敗れたわけだが、得票数にそれほど差があったわけではない。
 ちなみに、この決選投票以前にどこかの都市陣営と思われるところから、莫大な金を使って無料の新聞が人民に配られたことがあった事実を忘れてはいけない。それがどこであったのか、新聞にもTV報道でも云ってはいなかったけど(単なる俺の見落としかもしれない、でも、エリツィンが当選したってことは、黙認されたってことじゃないのか?)、彼らの差は、僅かにその程度しかなかったらしい。俺としては、「まだ、共産主義のほうがよかったから」という後進的な意見(尤も、そこで暮らしている人々の本音・生活苦が、のんのんと生きている俺なんかにわかるわけがないことは承知の上)で被支配者層に甘んじては欲しくなかった。もちろん、俺はどちらかというと共産主義(って書いてしまうと誤解を含ませてしまうが)の方だから、客観的に見れば崩壊したソビエトの立場にいるのかもしれないが(だが、俺の思う共産とソビエトが守り続けた共産とはかなり隔たりがある。)、どっちにしろ、人民は、自分の足で立っていなくてはならないのだから、どちらかといえば、より前進する方に歩を進めた方がいいのではないだろうか、と思ったしだいである。
 とかなんとか、書いて終わってしまうと、あたかもよろずやのおやじになってしまいそうなので、やめとくけど、おやじ、「新しい方がいい」のボタンを押しちゃったけど、前のフォーマットの方が俺は読みやすかった。で、今は横幅を縮めて読んでいるので、そんな些末なことはどーでもいいのだが、六・三〇事件、不謹慎だがおもしろいぞ。

 メールを出すのも面倒になったんで、ここで書いたほうが風通しが良くていいのかもしれない。メールって、貰っても送っても楽しいと思ったけど、公開しているホームページを見て感想を出しているのに、なんでか俺のバヤイは「陰湿」な感じになってしまう。モットモ、「陰湿」を追求したい場合は、メールをこっそり使おうとおもうけど、うははははは。
 というわけで、松永さんもう一度ボタンを押しました。ちなみに、ソースは昨日見ました(んー、確かに書いてある)5月の最初に飛んだらいきなり借金の話になってし。大槻ケンジ風じゃない文章も読んだし、増田明美っぽいような、そーでないよーな日記も見たし、もうひと方は、なんかつながらなかったんで見てないし、機会があればまた見(まみ)えることがあるでしょう。そーいやあ、辞書引いている人もいた。なんか、俺とおんなじことやってるな。他にも(前々から)ぼちぼち読んでます。まーこれで、野原さんの日記リストはだいたい制覇(?)した俺。次は、よろずやのおやじんとこだな。
感想などは、実名・ペンネーム・通称・隠喩を交えてちょこっとだけ書くと思います。わかる人にはわかる。わかんなくてもなんとなくわかりそうな表現を使って。

 というわけで、あやつは、AM4:00までなにやってんだか・・・。

 さーてーとー、本編の「書評日記」がずいぶん押されちまったけど(あーあ、今ネットスケープで確かめたら、表紙が見えなくなっちまってる)、今日の一冊はおおのやすゆき著「深く静かに沈没せよ!!」(日本出版社)である。俺のこの性格を語るに彼、大野安之(昔は、漢字だった。でも、今はひらがな。理由はあとで述べる。)をはずすことはできない。
 おおのさんの「That's イズミコ」という漫画(劇画)に出会ったのは、中学生の3年だったろうか。いまは無き「劇画村塾」という雑誌に掲載されていた。「劇画村塾」からは高橋留美子を始め、西村しのぶ、山本直樹、そして、大野安之という数々の(って、4人しかいないじゃないか。他にもいっぱいいたはずなんだが、(悪いけど)記憶にないし、「劇画村塾」を創設した重要な人物を忘れてしまったので、おはなしにならない。)劇画(漫画)家を輩出した。
 「That's イズミコ」の解説をしたいんだけど、ストーリーというものがないから(それでも1巻と最終巻あたりはなんかかんかやっていたけど)、あまり参考にならないんだが、時空を超えるなんとか(これは漫画の中でも、「なんとか」とか「あれ」になっている)を持った極楽院家の長女イズミコと友人裕子が織り成す、時代は20世紀〜27世紀まで幅広く、ストーリーはシリアスもギャグも幅広く、年齢も嵯峨(さが)と罵虎(「ばとらー」の字は違うと思う。)まで幅広く、なんでもやってしまう、大野安之しっちゃかめっちゃかの世界が毎月掲載されていたわけだ。
 で、だ。俺のペンネーム「稀Jr」の由来なんだが、「Jr」の方はカート=ヴォネガットが、「Jr」がとれた時に、頂戴したものだ。で、「稀」の方は、嵯峨の母親の名前で、これは名前しか出て来ないのだけれど、嵯峨を時空航行中に生んだというエピソードになっている。だから、嵯峨は、生まれた時間が不安定であるとかなんとか、おもしろい設定があるのだが、ま、そんな細かいことはどーでもいい。そんなわけで、俺の分裂症ぎみの根底はここらへんにあるのかもしれない。
 ちなみに、乃木将軍の名前の方が「稀典」(まれにのすけ)であったこを知ったのは、それからずーっとあとの事になる。

 さて、話を元にもどすと、大野さん、「精霊伝説ヒューディ」でちまちました漫画を描いていたのだが(その前にもいろいろあるのだけど、それは別の機会に)、どーやら、こんなことやってらんねーよ、と思ったらしい。俺は買っていたけど、売れてはいなかったのかもしれない。寺沢武一と同様、CGを漫画に導入した先駆者ではあるもの、ちょこちょこASCIIとかに載っていたけど、漫画の方はさっぱりだったらしい。(この点、本人に聞いたことはないので、ほんとうのところはどうか解らない。でも、FANから見て、ぐずぐずしていたことは確かだ。ま、それでもFANにはおもしろかったんだけど。)

 で、だ。近頃なにやってんだ?と思っていたんだが、いつのまにやら、名前が、大野安之から「おおのやすゆき」になって、話はまた、トンでもないところにいってしまっている。最新刊にいたっては、読者に媚び媚びした絵(つまり、俺のお絵描きシリーズの女の子みたな絵)を描いて、ニフティのIDまで書いてあるという豹変ぶりだ。彼は偉い、と俺は思うのである。

 おざなりではあるが、「深く静かに」の解説(?)をちょこっとだけしておこう。上の表紙絵では見えにくいので副題を書いておくとこうだ。『ああ栄光と愛と正義と平和と自由の戦死たち』。そして、帯にはこうだ。『脳ミソ大破炎上!!史上最悪のばちあたりコミック!!』。
 この文句だけで十分だと思う。所詮漫画(されど漫画)であるので、大いに楽しんで欲しい。ま、見当たればの話なのだが・・・。あまりに、マイナーなんで、注文しないとだめかもしれない。ちなみに、値段は税込み880円だ。(消費税があがるとまた、本の値段があがるのか、やだなあ。とか書いておく。)

 おっとぉ、脳みそで思い出した。針金の旦那のところで面白い1枚絵日記をやっている。押し出し方式だから、既に変わっているかもしれないけど、俺が見た時は「たれながし」だった。見るべし、見るべし。(とりあえず、今は大丈夫だ。)

 では、また明日。

update: 1996/07/05
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