書評日記 第87冊
はあ、なんだね、鬱状態になったら、なんかこう、ぶつかるものが欲しいよね。俺の場合は、ギター。最近買ったアコースティック・ギターです。モーリスのフェルナンドで、サンバーストです。あ、ギターを演ってないひとにはわかりませんね。茶色で周りが黒い奴です。奇麗なギターです。
ま、そんな、ギター自慢はいいとしてだ、俺の場合は、下手くそなブルースしか出来ません。3コードじゃこじゃこ鳴らすしか出来ません。でもね、ブルースって、3コードしかいらないんです。EとAとDが押さえられれば、いつまでーも演ってられます。ま、Fが押さえられるようになれば、さらに遊べます。Fコードなんって、ちょっとコツが覚えられれば簡単です。手首をネックにぐっと回す感じでひとさし指を出して、中指と薬指を曲げて押さえ、親指で後ろから支えるようにすれば、Fの完成です。ま、握るタイプもありますが、俺はこっちの方が好きです。なぜって? だって、Fが押さえられるって自慢できるじゃないですか。へへへ。
さて、本日の一冊は、ギターの教本と思いきや、カリグラフィーの教本です。はあ、「カリグラフィー」ってのを知っていますか。簡単に説明すると、英語版の書道です。道具は、紙と専用のペンを使います。ペンは、先の方が平らになっているカリグラフィー専用のペンです。大抵の文房具屋に置いてあります。
カリグラフィーを見たことは、誰でもあると思います。ほら、クリスマスカードとかに、美しい英文が書かれていたりするでしょう。俺の場合、英語がよくわかんないんで、内容は、ま、ともかくとしても、「美しい」ぐらいは解ります。あれが、カリグラフィーなんです。
カリグラフィーの元は、聖書のデザイン文字ですね。この教本にも書かれていますが、聖書は代々、ひとの手で写しとられていました。それの字のデザイン、そして、余白を飾るために、カリグラフィーの文化が生まれたわけです。植物(特にツタ)をあしらったり、鳥をとまらせたりするのもその類です。
ま、いわゆる、職人芸というやつなんですが・・・それはさておき、この本には、そんな美しい聖書の写真が何枚かと、カリグラフィーのお手本(教本だからこっちが主)があります。聖書の美しさを眺めるのは、絵を鑑賞するのと同じです。
そうそう、書体は、ゴシック体、イタリック体、カッパープレート体の3種類です。2500円という値段のわりには、数が少ないと思いでしょうが、いくつかの教本をみた限り、小田原真喜子さんの字が、一番素直な印象をうけました。そして、非常に教本らしい教本です。俺は、これを奨めます。ま、やる気があればどの教本でもいいですけどね。
さて、問題は、俺がカリグラフィーが書けるのか。ははは、おわかりですね。俺には書けません。ペンは買ったし、道具も揃えてみたんですけどねぇ。なかなか、どうして、簡単にはいかないものです。
でも、ま、時々、見て楽しむ分にもいい本です。こういう風なのができるっていうのも、ひとつの「特技」となって、心の支えになりますよ。
update: 1996/08/31
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