書評日記 第5冊
およね平吉時穴道行 半村良
早川書房

 半村良の本は、半分ぐらいは読破していると思う。
 私が、一番最初に読んだ半村良の本は、「セルーナの女神」というアフリカの呪術っぽいものを題材にしたものだった。ま、「ガダラの豚」に似ているかもしられない。
 半村良は、SF作家であると同時に下町作家(・・・という言葉があるかどうかは知らないけど)であり、伝奇作家である。「セルーナの女神」とかなんとか伝説シリーズは、伝奇ものの部類に入るんだろうと思う。実は、SFにしたって、スペースオペラが舞台であるわけでなし、最先端の科学技術が論じられるわけでもなく、そのSFの手法がつまっている小説という意味で「SF作家」として分類されるようなものを書いている。また、「晴れた空」のような本当に下町(これは、戦後のごたごたの中を書いた半自伝(・・・じゃないのかなぁ?そーいってもいいぐらい、その時代の雰囲気が伝わってくる)っぽいものである)を書き連ねたものもある。

 ま、そんな中で「およね平吉時穴道行」は、短編集的な役割を担っていて、半村良の本を一通り読んだ後に改めて読むといい(実は、私がそーいう経緯で読んで、「まー、こんなものも書いていたな」と思ったものだから)小説じゃないかな。

 そーいえば、半村良の著者近影ってのを見る度に思うのだけど、いかにもイイ男なんだな、これが。いかにも、小説家をやってしますという顔だ。かっこいいSF作家では、筒井康隆なんていかにも、「筒井康隆ここにあり!」(意味不明)ってな感じなのだが・・・。半村良は、SF作家ってよりも、やっぱり小説家って感じである。ま、私としては、あんまり好みではないのだけど・・・、別に、顔で小説を書くわけではないし。引き締まっていい男なんだけどね。なんとなくイメージが。

 今日はちょっと長めに書いてみました。余談だけど、私の場合、パソコンの画面は、1024x768でやってるんです。で、まぁ、この程度の文章の長さだと、丁度1枚ってな感じになるんじゃないかな?まぁ、横幅に依存するけど。

update: 1996/06/02
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