書評日記 第12冊
はじめての、ホームページ更新作業である。この「書評日記」の場合、インデックスのファイルとGIFファイル、それにこの文章自身のファイルを更新しなければならない。んー、結構面倒だわ。そのうちバッチでも書いて自動化しよう。
さてと、今日はちょっとやわらかい分野で(まー、いままでが堅いというわけではないのだけれど、「偏って」はいるよな)、講談社X文庫から、小野不由美さんの「風の万里 黎明の空」を紹介しよう。まず、最初に行っておくと講談社X文庫は富士見ファンタジー文庫とかスニーカー文庫とかの類に属する、いわゆる「ジュナイブル」分野である。(断っておくけど、私がこの分野の本を読む&買うのは初めてだ。まー、少女漫画は結構もっているけど・・・。その話はいずれしよう)
「ジュナイブル」という分野は昭和初期からあって、江戸川乱歩「少年探偵団」とか海野十三「火星兵団」、野村胡堂、押川春浪などがいる。だから、決してばかにしたものではないのだろうが、現在の「ジュナイブル」と昭和初期の「ジュナイブル」を同列に扱うことには、ちょっと気がひける。
ま、そんな感じもあって、1冊も読んだことはなかったのだが、小野さんの小説を読んだ(いまんところ、十二国記シリーズは全読している)きっかけは、読売新聞の日曜日にある書評を読んだことだった。まー、乱読にもちょっとかげりが出てきたし(なんとなく、読む分野も固定されてしまったし)、ここひとつ、おもしろい本がないかな?と思ったときに、「ここの中国風の物語りはおもしろい。講談社X文庫という買うにはちょっと恥ずかしい分野なのだが、」云々のことばにつられてしまった訳だ。
自分の踏み込んでいない分野には、必ず新しいものがある(ま、それが、結果的にはあわないものだとしても)ってのが信条だから、恥ずかしかろうがなんだろうが、ともかく買ってみたのが、この本だったわけ。
ま、内容は・・・なんというか、「ジュナイブル」らしい(と一言でくくってしまうのもどうかと思うが)冒険とか成長とかが根底にあるのだけど、世の中の少女向け(?)にしては、けっこう勇ましい。ただ、勇ましいってのは、「セーラームーン」とかじゃなくて、ひかわきょうこの「時間をとめて待っていて」(・・・ホントのところはちょっとニュアンスが違うけど)のように勇ましい。今までにはなかった少女像じゃないだろうか、と思った。結構売れているらしいので、その年代(決して私(等)の年代じゃないよ)にも支持されているのだろう。んー、私はそう思いたい。
あー、なんか長くなっちゃったけど、ここまで読んだ方はご苦労さま。(読み返している方もご苦労さまね。)書評なんて題しているわりには、内容がぜんぜん書いていなくてごめんね。でも、あたりまえだけど、一番いいのは実物にあたってみることだから(それが知らない分野ならなおさら)、ま、かんべんして下さい。
update: 1996/06/09
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