書評日記 第135冊
若草物語 高河ゆん

 ははははは、バカでないの?昨日の俺。何が「何にも書けない」だ?何を悩んでんでしょうか?書く題材はいっぱいあるでしょう?そう、俺の人生そのものを書けばいいじゃないですか。俺の人生はまるで小説のよう・・・でもないかもしれないけれど、その場その場は真剣にやってきたし、いろいろな場所でも暮らしたし、人と出会ったり別れたりしたし、そう、今でも毎日毎日、人の日記を読んで感心したり怒ったり嘆いたり、その人の生活を想像したり、励ましたり励まされたり罵倒したり罵倒されたり、いろいろやってます。もう、この5か月間いろいろ。それに、それ以上に、俺の28年間の人生はいろいろあります。もう、思い出話をしてもいつまでたっても尽きないぐらいあります。ちょっとした嬉しいこと悲しいこと楽しかったこと辛かったこと、みーんな覚えています。感じてきました。記憶がね、残っているもんなんですよ、俺の場合。いや、記憶というよりも、ずーっと「考え」続けてきた結果ではないでしょうか。考えてやってきたからら、覚えているんじゃないでしょうか。勿論、考え違いみたいのも一杯やっているし、総体的に見れば決して順調な人生ではなかったけれど、なかなかね、いろいろあるでしょう?あなたの人生だって、1冊の本に出来る程度はあるはずです。そう、人の人生ってのは人それぞれ、いろいろあるわけですよ。その人でしか解らない出来事があり、その人でしか印象に残らなかった事実があり、遠くの出来事が身近に感じられ、また、身近の出来事が淡々と感じられたりします。それは、何故か?人と自分が違うのは何故か?自分というものは、何故、自分でしか感じられないことを感じるように出来ているのか?諸君諸嬢、考えたことがありますか?それは、いままでの背景が経験が体験があなた自身を培っているからです。そうでしょう?何者にも感じられない感性を持つとき、それは、自分のみが生きてきた自分の人生が今の自分を培っているからでしょう?だから、そう、俺は自分の事を書けばよかったわけです。そりゃね、そのまま書けば単なる私小説ですが、そこは、ほれ、俺には想像力がありますし、「多作」という最大の味方がいます。タイピングは抜群に早くなっています。いろいろ、想像力と散弾銃を駆使すれば何かぶち当たるんではないでしょうか。ははははは、まったくもう。

 そう、日曜日に〈神話好きの彼女〉に話したはずです。
 「まず、たくさんの作品を描いて、人を圧倒させなくてはいけない。」
 「純粋な個性ってのは存在しないんだよ。すべては、人からかき集めて自分の個性を形作っているんだから、真似や模写をして当然なんだ。」
 「最初から、いいものなんてできやしない。だってそうでしょう?50歳ぐらいになって完成される技術なのに、最初から上手いわけがないじゃない。自分に満足できるわけがないじゃない。」
 「まずは、最低ラインを越えること。それ以上は望まないほうがいいと思う。あとは、相手が決めてくれるでしょう。」
 などなど。

 なーんだ、自分できっちり解ってんじゃん。なーにを気取ってんだか。まだ、一歩も進んじゃいないのに、立ち止まってどーするの?挫折するのはスランプに陥るのは挫けるのは、一歩を踏み出して、そして、走りつづけている人の特権でしょう?走れば疲れます。そう、息が切れるし腹も減る。そういう時は、水を飲んで深呼吸をして、ベンチに座って、湖を見ながら一服すればいいわけです。そしたら、また、走りつづけられるでしょう? 俺は、走ってもいないのに、立ち止まっちゃあだめだよ。まったく、もう、なにやってんだか、呆れてものが云えません。

 んで、本日の一冊ですが、うーむ、だんだんいい加減になってるな。看板に偽りありの状態になっているけど、ちょっとその辺は、御勘弁頂きたい。<誰に?
 高河ゆんの「若草物語」を紹介しましょう。
 「若草物語」は、ま、あの若草物語ね。ちょっと作者は度忘れしたけど、4姉妹のお話。いえ、内容は別にどーでもいいのです。彼女が「多作」であることが意味があるだけです。月産200枚以上こなしていたという、とんでもない漫画家です。今では、よくわかりませんが、デビュー2年にして、このペースを保っていたハズです。下書きは、アタリ(ちゃちゃっと人物の場所を決める)だけで、あとはごしごしとペン入れです。アシスタントはいるようですが、まあ、集中線とかベタばかりなのでしょう。まあ、やたらめったら早いことは確かです。画面は、ま、白いわけですが・・・絵柄を真似したことがあります。非常に描きやすいです。自分が楽しくて描いている感じがします。
 んで、「若草物語」は、彼女のデビュー作なわけです。何故かしらないけど、古本屋にいっぱい落ちています。まあね、デビュー作ってのは、往々にして下手なものですが、ちょっと、その、あんまりじゃない?と思って、一応、一冊だけは本棚にある俺は、彼女のFANです。・・・あ、それはどーでもいいことか。

 さてと、日記も書きおわったことだし、小説でも書きましょうか。今度はね、ちゃんと「魅せ方」を考えますので、ご安心を。
 
 久々に、〆の言葉ね。愛煙学生の日記から拝借。
 俺の座右の銘は、「思い立ったら、屹立」。

update: 1996/09/09
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