書評日記 第343冊
「村上龍批判序説」用。
前4年間(「愛と幻想のファシズム」、「超伝導ナイトクラブ」)の駄作が「イビサ」にて報われているような気がする。
彼自身が主張する「故郷であるアメリカ」が彼の育った佐世保という土地が多大な影響(これは彼自身が思っている影響よりもずっと根は深いし、彼がベストセラー作家である理由もここにある)を及ぼしているのは間違いない。
日本以外への土地への憧れが「イビサ」を支える。多分、佐世保という土地からアメリカへと続くのだろうが、村上龍は彼が思っているほどポップではないと私は思う。だが、大衆的なポップさを私は知らないのでどうとも言うことができない。私が知るポップさはウィットに支えられているポップさである。
「女の愛読書シリーズ」と銘打たれてしまうほどに、彼の著作は「女」というものを主張させられている。
update: 1997/08/17
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