書評日記 第57冊
露助のゴジェリン。いい味だしてます。ちょっと禿げあがった赤髪に、ちょびひげ。60キロ級だから、ちびっこくて、まるくて、ころころしてて。そして、元気な野村に攻められてだんだん疲れて、ぜーはー云ってるところが、なんとも・・・。結局、負けちゃったけど。
多分、今日の日記界は「田村亮子」一色なんだろうな、とか思うと、どーしてもハズしておきたくなる俺。しかして、田村亮子、やはり彼女の足は平べったい。
さて、ねじめ正一の「本日開店」(新潮文庫)は、一言で云えば、「商店街の人情話」
人情話といえば、半村良の下町ものとか、藤沢周平の長屋ものとか、倉本聡の「北の国から」とか・・・そうそう忘れちゃいけない「つげ義春」があります。
あいにく、俺の本棚にはあまりエッセーものがありません。エッセーってのはあまりにもナマナマし過ぎて、作家というものが近くに居すぎてちょっと胸焼けしそう。ま、それでも、筒井康隆とか安部公房、大江健三郎なんて俺が読み込んだ人のものは、そそっと手を出してみる。安部公房の「死に急ぐ鯨たち」なんて、死後2年にして、そろそろいいかな、と思って手をつけたぐらいですから。・・・というわけで、ねじめ正一のエッセーの本は読んだことがないので、そっちの方はどうかわからないけれど、小説の方は、まず、おもしろい。ついでだけど、原田宗典なんてのも、エッセーはどうだか知らないけれど、小説のほうはまずまず。
だが、ねじめ正一の小説、これを含めて3、4冊しかなかったような気がする。しかも、すべて、正一少年(これって、やっぱり半自伝的なんだろうな。エッセーを読んでないのでわからない。)が商店街でうだうだやるお話であり、まあ、ぜんぜん進展しない。
商店街というものは、それほど発展したり、景色が変わったりするものでなく、うっそりとしたアーケードに、半分閉められた雨戸から商品がのぞき、じじばばが奥にひそみ、がきがうろうろしている光景を想像するのは、俺だけではあるまい。ま、それに比べれば、ねじめ正一の商店街はちょっと明るいけど。
それに、この正一少年。だんだん育ってきて、香港なんかに行ってしまうから、なんか変な感じ。そのうち、東京に出てきて、不良になっちまわしないかと思うのだが、ま、そうなることはあるまい。
創業ン十年とかいう木造の駄菓子屋とかが、へんな形の公民館とかに囲まれて、ほそぼそやっているのもイイ感じ。ってのは単なる俺の幻想で、やっぱり渋谷の電光表示の切符自販機も使えたほうがいいと思うぞ、おばば。とかなんとか、思える小説である。
そうそう、余談ではあるが、ちょっと前のNHKニュースで、BBSをやっているおばばの紹介があった。ノートパソコンを畳の上に置き、正座してぽちぽちキーを打っている姿。せめてちゃぶ台に置いてくれと思った視聴者は俺だけではあるまい。
update: 1996/07/26
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